統計検定 1級 過去問 解答/解答例と解説
2015年11月29日 (日) 試験

統計数理 問5 [6]

設問の要約
  • E[Y|X0]=2πρ を示せ.

  • TY との間の相関係数 ξξ=2πρ となることを示せ.

  • このことと [3] との関連を説明せよ.

解答例

一般に,XN(μX,σX2)YN(μY,σY2) で,相関係数が ρ である 2 変量正規分布の X=x が与えられたときの Y の条件付き分布は次で与えられる.

YX=x    N(μY+σYσXρ(xμX), σY2(1ρ2))
そこで,XN(0,1)YN(0,1) のとき,
YX=x    N(ρx, 1ρ2)
E[YX0]=0E[YX=x]fXX0(x)dx=0ρxfXX0(x)dx=ρ0xfXX0(x)dx=ρE[XX0]=ρ2π

E[TY]=ttyfT,Y(t,y)dy=ttyfYT=t(y)P(T=t)dy=ayfYT=a(y)P(T=a)dy+(a)yfYT=a(y)P(T=a)dy=a2yfYX0(y)dya2yfYX<0(y)dy=a2E[YX0]a2E[YX<0]=a2ρ2πa2(ρ2π)=aρ2π
Cov[T,Y]=E[TY]E[T]E[Y]=aρ2π0y¯=aρ2π
ξ=Cov[T,Y]V[T]V[Y]=aρ2πa21=ρ2π
よって,ξ は,a の値に依存しない.

n1=n2 のとき,観測値

(x1,y1), , (xn1,yn1), (xn1+1,yn1+1), , (xn,yn)
が得られたとする.このとき,xi がある値より大きいとき a,小さいとき a として,
(a,y1), , (a,yn1), (a,yn1+1), , (a,yn)
の相関係数を求めることは,ξ を求めることに対応する.