統計検定 1級 過去問 解答/解答例と解説
2014年11月30日 (日) 試験

統計応用 問2 [2]

設問の要約
  • f(x)=α+βx+γx2

  • 3回の実験で (α,β,γ) の推定量の分散共分散行列の行列式 (一般化分散) を最小化する.

  • x=1, x=1 に加えて,x のどの値で実験すればよいかを示せ (この計画はD-最適計画とよばれる).

解答例

x1=1, x2=1 とする.

回帰係数の推定量 (α^,β^,γ^) は次の分布に従う.

(α^,β^,γ^)N((α,β,γ), σ2(XX)1)
計画行列は次のようになる.
X=(1x1x121x2x221x3x32)=(1111111x3x32)
ここで,
行列 A が正則    |A1|=1|A|
である.XXp(=3) 次の正方行列であり,XX は正則であると仮定しているので,
|σ2(XX)1|=(σ2)p|(XX)1|=(σ2)p|XX|=(σ2)p|X||X|=(σ2)p|X||X|=(σ2)p|X|2
よって,一般化分散 |σ2(XX)1| を最小化することは,|X| の絶対値を最大化することと同値である.
|X|=|1111111x3x32|=|11x3x32|+|111x32|+|111x3|=(x32x3)+(x321)+(x31)=2(x321)
よって,x=0 のとき,|2(x321)| は最大値となり,一般化分散は最小値となる.