統計検定 準1級 過去問 解答/解答例と解説
2017年06月18日 (日) 試験

論述問題 問2 [2]

設問の要約
  • 原稿の1ページ目から最初の20個の誤植について,発見されたページ数を記録しグラフを作成

    ※グラフは省略

  • 横軸 tn : ページ数

  • 縦軸 n : 発見した誤植数

  • Nt : 誤植数

    NtPo(λ)

  • {Nt}t0 : 強度 λ のポアソン過程

    1. 確率 1 で N0=0

    2. 任意の

      0=t0<t1<<tn1<tn
      に対し,
      N0, Nt1Nt0, Nt2Nt1, , NtnNtn1
      は互いに独立

    3. 任意の 0st に対し,

      NtNsPo(λ(ts))

    4. 確率1でサンプルパス tNt は非負の整数値をとる階段関数

  • 誤植数 Nt の確率過程は,(1), (2), (4) を満たしている.

  • 条件 (3) の是非について論ぜよ.

  • 条件 (3) も正しいと仮定できるとき,誤植数 Nt の従うポアソン過程の強度が λ=2.0 と推定できる理由を説明せよ.

  • t ページまでの誤植数を特定したときの λ の最尤推定量 λ^ は次で与えられる.

    λ^=Ntt

解答例

s=0 とすると,

E[NtNs]=λ(ts)E[Nt]=λt=2.0t
となるので,グラフの破線と一致することから条件 (3) は妥当と考 えられる.このとき,λ の最尤推定値は
λ^=Ntt=2010.0721.9857
となるので,ポアソン過程の強度は,λ=2.0 と推定できる.