統計検定 準1級 過去問 解答/解答例と解説
2016年06月19日 (日) 試験

論述問題 問3 [1]

設問の要約

(第1段階)

  • 完全グラフの 6つの辺をそれぞれ取り除いた 6つのモデル

  • M1 : 辺CDを除いたモデル.6つのモデルのうち最も当てはまりのよいモデル

  • 逸脱度は 2.062

(1)

  • モデル M1 の式,逸脱度の自由度を求めよ.

(2)

  • モデル M1 の下での期待度数は,周辺度数 {nabc+}{nab+d} から求めることができる.

    nabc+=d=12nabcd
    nab+d=c=12nabcd

  • モデル M1 の下での期待度数の式を示せ.

  • セル (no, no, no, <140) の期待度数を求めよ.

(3)

  • フルモデルに対するモデル M1 の逸脱度 2.062 の P値について考察せよ.

解答例

(1)

モデル M1 の式は,モデル M0 の式から cd の添え字のある項を除いた式となる.

Pabcd=μ+αa+βb+γc+δd    +(αβ)ab+(αγ)ac+(αδ)ad    +(βγ)bc+(βδ)bd    +(αβγ)abc+(αβδ)abd
取り除いた項は,
(γδ)cd
(αγδ)acd
(βγδ)bcd
(αβγδ)abcd
なので,自由度は 4となる.

(2)

p(a,b,c,d)=p(c,da,b)p(a,b)=p(ca,b)p(da,b)p(a,b)=nabc+nab++×nab+dnab++×nab++n+++
モデル M1 の期待度数 mabcd は,
mabcd=n++++×p(a,b,c,d)=n++++×nabc+nab++×nab+dnab++×nab++n+++=nabc+nab+dnab++
セル (no, no, no, <140) の期待度数は,
m1111=n111+n11+1n11++=(79+67)×(79+197)79+67+197+179=146×276522=77.195

(3)

カイ二乗分布表からわかるのはパーセント点である.P値は近似して求める.

χ0.902(4)=1.06
χ0.102(4)=7.78
よって,
1.06<2.062<7.78
なので,帰無仮説は棄却できない.つまり,モデル M1 への当てはまりが悪いとは言えない.

カイ二乗分布表では,χ2 統計量からはその P値を求めることができないので, 次のようにして p値を推測する.

P値=90(0.900.10)×2.0621.067.781.06=0.78