統計検定 準1級 過去問 解答/解答例と解説
2015年06月21日 (日) 試験

論述問題 問3 [2]

設問の要約
  • p : 生存率

  • z : 処置を表すダミー変数

    z={1(処置)0(対照)

  • ロジスティック回帰

    logit(p)=logp1p=α+βz

  • αβ の推定値を,(a),(b),(c)の分割表からそれぞれ求めよ.

  • α,β はそれぞれ何を意味するかを述べよ.

解答例

z=0 のとき,すなわち,対照群のとき,

logp1p=α
左辺は対数オッズの形をしているので,α は対照群の対数オッズを意味する.

z=1 のとき,

logp1p=α+β
左辺は,処置群のときの対数オッズを表すはずである. 対照群の生存確率を p1,処置群の生存確率を p2 と置くと,
α=logp11p1
であり,
logp21p2=logp11p1+β
と書ける.β について解くと,
β=logp21p2logp11p1=logp21p2p11p1
よって,β は対照群に対する処置群の対数オッズ比であることがわかる.

以上のことから,男性,女性,併合での α^β^ をそれぞれ求めると,以下のようになる.

男性の場合:

α^=log430.2878
β^=logOR0.182

女性の場合:

α^=log230.405
β^=logOR0.182

併合の場合:

α^=log66=0
β^=logOR=0