統計検定 準1級 過去問 解答/解答例と解説
2015年06月21日 (日) 試験

選択問題及び部分記述問題 問12

問題の要約
  • 新薬 A の効果を確かめるため,既存薬 B と比較 

  • 60名の被験者をランダムに 2 : 1 で新薬 A と既存薬 B に割付け

  • 試験の結果

    有効 無効
    A 32 8 40
    B 12 8 20
    44 16 60
  • H0:「両薬剤の有効率は等しい」

  • ピアソンのカイ二乗統計量

    χ2=60(32×88×12)40×20×44×162.73

  • オッズ比 (OR)

    OR=32×88×122.67

  1. カイ二乗検定を行え.また,母集団オッズ比の信頼係数 95% 信頼区間を求めよ.

  2. 表で与えられた数値をすべて 1.5倍すると,カイ二乗統計量の値と検定結果,オッズ比はどうなるか.

解答
  1. 答 : ④

    自由度 (21)×(21)=1 であるから,

    χ0.052(1)=3.84
    なので,2.73<3.84 となり,5% 有意ではない.

    オッズ比の 95% 信頼区間は,

    exp[log32×88×12±1.96×132+18+112+18]=exp[log2.67±1.96×132+3+2+324]=exp[log2.67±1.96×132+13]=exp[log2.67±1.96×3+3232×3]=exp[log2.67±1.96×3596]=exp[log2.67±1.96×0.6038]=exp[0.981±1.1834]=exp[0.202], exp[2.1644]=0.817,8.709
    よって,OR に基づく信頼区間は 1 を含む.

  2. 答 : ①

    試験結果を次のようにおく.

    有効 無効
    A a b a+b
    B c d c+d
    a+c b+c a+b+c+d

    表で与えられた数値をすべて 1.5 倍すると,

    1.5a×1.5d1.5b×1.5c=a×db×c
    となり,オッズ比の値を変わらない.

    問題文の χ2 統計量の式で,すべての値を 1.5 倍にすると,χ2 統計量の値は 1.5 倍になることがわかる. χ2 統計量の値は,2.731.5=4.095 となる. 4.095>χ0.052(1)=3.84 となり,5% 有意となる.