統計検定 準1級 過去問 解答/解答例と解説
2015年06月21日 (日) 試験

選択問題及び部分記述問題 問10

問題の要約
  • 1次の自己回帰モデル :

    ξt+1=αξt+ϵi    (t=0,1,)
    ϵiN(0,σ2)

  1. 次の時系列グラフのうちで,α=0.7 および α=0を示すグラフはどれか.

    ※図は省略

  2. 回帰モデル

    Yt=β0+β1xt+ξt  (t=0,1,)
    ダービン・ワトソン(DW)統計量によって,誤差項 ξt に 1次の自己回帰過程が想定されるかどうかを検定する.

    DW 統計量の値の読み方,および,推定量の偏りに関する記述について適切なものを選べ.

    ※選択肢は省略

解答
  1. 答 : ③

    α=0 のとき,

    ξt+1=ϵt
    となり,単にホワイトノイズになる.よって,グラフ (C) となる.

    また,α=0.7 のときは,時刻 t1 からの影響を 0.7 倍うけ,ホワイトノイズを加えたと想像すると,グラフは (B) である.

  2. 答 : ③

    ダービン・ワトソン統計量は次で求める.

    DW=t=2T(etet1)2t=1Tet22(1ρ^)
    ここで,et は残差,ρ^ξtξt1 の相関係数の推定値である. また,0DW4であり,次のように自己相関について判定する.

    • DWが 2 に近いとき,自己相関がないと判定

    • DWが 2 より十分に小さいとき,正の自己相関があると判定

    • DWが 2 より十分に大きいとき,負の自己相関があると判定

    誤差項に自己相関のある場合は,回帰係数の最小二乗推定量は最良線形不偏推定量とはならないが,偏りはもたない.