統計検定 準1級 過去問 解答/解答例と解説
2015年06月21日 (日) 試験

選択問題及び部分記述問題 問14

問題の要約
  • 半径 1 の円の第1象限の面積は π4 であることを利用し,円周率 π の近似値を次の 2通りの方法で求める.

    1. (Ui,Vi), i=1,,N : 領域 (0,1)×(0,1) 上の一様乱数

      M : Ui2+Vi2<1 となった組の個数

      π^=4MN

    2. U : 区間 (0,1) 上の一様分布に従う確率変数

      E[1U2]=01(1u2)du=π4
      Ui,  i=1,,n : 区間 (0, 1) 上の一様乱数

      1U2 の標本平均 : 1ni=1n1U2

      π^=4×1ni=1n1U2

  1. (1) の π^ の標準偏差を 0.01 以下とするためには何組以上の乱数が必要か.

  2. (2) の π^ の標準偏差を 0.01 以下とするためには何組以上の乱数が必要か.

解答
  1. 答 : ④

    (Ui,Vi)U2+V2<1 を満たす個数 M は,

    MBin(N,π4)
    である.
    E[M]=Nπ4
    V[M]=Nπ4(1π4)
    これらより,
    E[π^]=E[4MN]=4NE[M]=π
    V[π^]=V[4MN]=42N2V[M]=4Nπ(1π4)
    よって,π^ の標準偏差 V[π^] は,
    V[π^]=4Nπ(1π4)0.01
    π=3.14 と既知として計算してしまえば,
    N26967
    を得る.

    ところで,π=3.14 を未知のままで考えてみる.

    π(1π4)
    が最大になる π の値は 2 である.  の中が最大になることを加味して,標準偏差が 0.01 以下になることを考えると,
    4N×2×(124)0.01
     N40000

  2. 答 : ③

    V[π^]=V[4×1ni=1n1Ui2]=42n2i=1nV[1Ui2]=42n2i=1n{E[(1Ui2)2](E[1U2])2}=42n2i=1n{E[1Ui2](E[1U2])2}=42n2i=1n{01(1u2)du(π4)2}=42n2i=1n{[u13u3]01π242}=42n2i=1n{(113)π242}=42n2i=1n{23π242}=42n(23π242)
    V[π^]=42n(23π242)0.01
     n7970