統計検定 準1級 過去問 解答/解答例と解説
2015年06月21日 (日) 試験

選択問題及び部分記述問題 問6

問題の要約
  • ある大学で 2回の英語能力テストを実施

  • 全員が 1回目のテストを受験

  • 2回目のテストを受験しない学生がいた

  • 全学生 : 1500人

  • 2回のテストを両方とも受験した学生 : 1400人

  • 2回とも受験した学生の点数 : (x1,y1),,(x1400,y1400)

  • 1回しか受験しなかった学生の得点 : x1401,x1402,,x1500

  • 全学生が 2回受験したときの分布 :

    (x,y)N((μXμY),(σX2ρσXσYρσXσYσY2))

  1. 2回目のテストの平均値 y¯A と 2回のテスト間の相関係数 rA を次のデータを用いて求めた.

    (x1,y1),,(x1400,y1400)
    y¯ArA の記述として適切なものを選べ.

    ※選択肢は省略

  2. 2回目のテストの平均値 y¯A と 2回のテスト間の相関係数 rA を次のデータを用いて求めた.

    (x1,y1),,(x1400,y1400),(x1401,y1400),,(x1500,y1500)
    ただし,
    yi=a+bxi (i=1401,1500)
    a, b:(x1,y1),,(x1400,y1400) を用いて推定
    y¯BrB の記述として適切なものを選べ.

    ※選択肢は省略

解答
  1. 答 : ⑤ (y¯AμY を過大評価し,rAρ を過小評価する)

    1回目の点数が低い人が,2回目に受験しない傾向にあったことから,y¯AμY を推定すると, μY の推定値は大きな値になってしまう.つまり,過大評価されてしまう.

    低い点数のサンプル数が少くなってしまったことから,直線を当てはめたとすると傾きが緩やかになるので,rAρ を過小評価してしまう.

  2. 答 : ② (y¯BμY を偏りなく推定するが,rBρ を過大評価する)

    予測値を含めたデータを用いて,,2回目のテストの平均値 y¯B と 2回のテスト間の相関係数 rB を求めた.

    回帰直線で得られなかった2回目のテストの得点を予測し,2回目の平均点を求めているので,y¯BμY を偏りなく推定する.

    また,(x1401,y1401),,(x1500,y1500) は,本来より強い相関のあるデータとなってしまう.よって,rBρ を過大評価してしまうことになる.