統計検定 準1級 例題集 解答/解答例と解説

論述問題 問3 [2]

設問の要約
  • 観測データ

    発生 非発生
    投与群 a b m
    非投与群 c d n
    s t N
  • オッズ比の推定値

    OR=adbc

  • 対数オッズ比 logOR の標準誤差

    SE[logOR]=1a+1b+1c+1d

  • RR の推定値 RR を求めよ.

  • logRR の標準誤差を求めよ.

解答例

p1 の推定値 p^1 と,p0 の推定値 p^0 は,

p^1=am
p^0=cn
RRの推定値 RRは,
RR=p^1p^0=a/mc/n=ancm
logRRの標準偏差 SE[logRR]は,
SE[logRR]=Var[logRR]
Var[logRR]=Var[logp^1p^0]=Var[logp^1logp^0]
ここで,a, b の確率変数を A, C とおくと,AB(n,p1), CB(m,p0) である.
E[A]=mp1
Var[A]=mp1(1p1)
これらより,
E[Am]=E[p^1]=p1
Var[Am]=Var[p^1]=p1(1p1)m
デルタ法により,
Var[logp^1]=((logp1))2Var[p^1]=(1p1)2p1(1p1)m=1p1mp1=1mp11m
mp1 の推定値は,aであるので,
Var[logp^1]=1a1m
同様にして,
Var[logp^0]=1c1n
ところで,AC は互いに独立であるので, p^0=Amp^1=Cn も互いに独立である.
Var[logRR]=Var[logp^1]+Var[logp^0]=Var[logp^1]+Var[logp^0]=1a1m+1c1n
よって,
SE[logRR]=Var[logRR]=1a1m+1c1n