第2講 確率分布

χ2 分布

X1,,XnN(0,1), i.i.d.,  X=X12++Xn2 のとき,

Xχ2(n)Γ(n2,12)
f(x;n)=(12)n2Γ(n2)xn21e12x
E[X]=n/21/2=n
V[X]=n/2(1/2)2=2n
MX(t)=(1/21/2t)n2=1(12t)n2

χ2 分布の性質

X1,,XnN(μ,σ2), i.i.d. のとき,

χ2=i=1n(XiX¯)2σ2=(n1)U2σ2  χ2(n1)
ただし,
X¯=1ni=1nXi
U2=1n1{(X1X¯)2++(XnX¯)2}
厳密な証明ではないが,イメージとしては次のようになる.
(n1)U2σ2=(X1X¯σ2)2++(XnX¯σ2)2
ここで,
XiX¯σ2N(0,1)
である.また,X¯ という制約を 1 つあることから,自由度は 1 減少し,n1 となる.

補足1: X2Γ(12,12) の証明

標準正規分布の分布関数を F(x) とし,その密度関数を f(x) とする.

F(x)=P(Xx)=xf(t)dt
F(x)=f(x)
f(x)=12πexp[x22]
ここで,Y=X2 として変数変換する.
dydx=2x=2y
であるから,
dxdy=12y
Y の分布関数を G(y) とし,その密度関数を g(y) とする.
G(y)=P(Yy)=P(X2y)=P(yXy)=F(y)F(y)=F(y)+F(y)=2F(y)
G(y)=2F(y)g(y)=2f(y)12y=212πexp[y2]12y=(12)12πy121exp[12y]=(12)12Γ(12)y121exp[12y]
よって,g(y)Γ(12,12) の密度関数である.