第6講 各種データ解析法

因子分析

因子負荷量の推定

観測値に対する分散共分散行列は,次のように書けた.

Σ=AA+D     (1)
ここで,Σ に対する固有値問題を考える.
Σbj=λjbj,    j=1,,p
だだし,λj は固有値,bj は固有ベクトルであり, λ1λ2λp0 である. さらに,
ΣB=BΛ
B=(b11bp1b1pbpp)
Λ=(λ100λp)
右から B をかけると,
ΣBB=BΛB
直交性より,次のようなスペクトル分解を得る.
Σ=BΛB=λ1b1b1++λpbpbp
ここで, 番目までの固有値まで採用して,Σ を近似する.
Σλ1b1b1++λbb=B~B~
B~=(λ1b1λb)     (2)=(λ1b11λb1λ1b1pλbp)
(1) より,
ΣD=AA
(2) と比較すると,ΣD の固有値問題を解けば, B~ を求めたように A を求めることができる. しかし,D は未知である.そこで,次のように主因子分析法という反復法で AD を求める.

ステップ1

n0
D(n)初期値

ステップ2

ΣD(n) の固有値 λ1λ と 固有ベクトル b1, , b を求め,

A(n)=(λ1b1λb)

ステップ3

ΣA(n)A(n)
の対角要素を D(n+1) とおく.

ステップ4

もし,

|dj2(n)dj2(n+1)|<ϵ,   j=1,,p
ならば,終了.そうでなければ,
D(n)D(n+1)
nn+1
ステップ2に戻る.