第6講 各種データ解析法

直交表

L8 直交表

1 2 3 4 5 6 7
1 1 1 1 1 1 1 1
2 1 1 1 2 2 2 2
3 1 2 2 1 1 2 2
4 1 2 2 2 2 1 1
5 2 1 2 1 2 1 2
6 2 1 2 2 1 2 1
7 2 2 1 1 2 2 1
8 2 2 1 2 1 1 2
a b ab c ac bc abc

主効果モデルに対する直交表の性質

L8 直交表において,列番号 1,2,4,7 を選んで因子 A,B,C,D を割り付けた場合を考える.

Yijkl=μ+Ai+Bj+Ck+Dl+εijkl
i=12Ai=j=12Bj=k=12Ck=l=12Dl=0
因子 A の水準 A1 の値は次の式によって不偏推定できる.
A1=18(Y1111+Y1122+Y1212+Y1221Y2112Y2121Y2211Y2222)
なぜならば,i=12Ai=0 より,A1=A2 となることに注意して,
E[18(Y1111+Y1122+Y1212+Y1221Y2112Y2121Y2211Y2222)]=E[18{(A1+B1+C1+D1)+(A1+B1+C2+D2)+(A1+B2+C1+D2)+(A1+B2+C2+D1)    (A2+B1+C1+D2)(A2+B1+C2+D1)(A2+B2+C1+D1)(A2+B2+C2+D2)}]=E[18(4A14A2)]=E[18(4A1+4A1)]=A1
他の因子の効果によらずに,A の効果の大きさを不変推定できることがわかる. 直交表は「主効果同士が交絡しない」という性質を持っている.

交互作用が存在するモデルに対する直交表の性質

2因子交互作用 A×B を持つ場合を考える.

Yijkl=μ+Ai+Bj+Cj+Dl+(AB)ij+εijkl
i=12Ai=j=12Bj=k=12Ck=l=12Dl=0
i=12(AB)ij=j=12(AB)ij=0
L8 直交表において,列番号 1,2,4,7 に因子 A,B,C,D を割り付け, さらに,列番号3 に A×B を割り付けると,各主効果と交互作用 A×B は交絡しない.