第6講 各種データ解析法

オッズ比

オッズ比とは,その関連の強さの指標で,オッズ比が高いほど,その因子と病気の関連性が高いことを示す.

暴露あり 暴露なし 合計
疾患発生あり a b m=a+b
疾患発生なし c d n=c+d
合計 a+c b+d N

オッズ比は

a×db×c
である. これを計算により因子に暴露されたことによって疾患発生率が何倍に増えたと定量的に表現することができるため,χ2 検定より情報量が多くなる.

オッズ比の (1α) 信頼区間の上限値及び下限値は,次式で求めることがでる.

exp[loga×db×c±zα1a+1b+1c+1d]

オッズ比が 1.0 であるということは暴露あるいは非暴露における疾患発生のリスクが同一であることを意味し有意差なしと解釈できる. すなわち信頼区間が 1.0 を含んでいれば有意差なしといえ,また,1.0 を含まない場合は有意差ありと判断できる.

オッズ比の信頼区間の下限値が 1.0 を下回るとき,「関連性が有意でない」という. 逆に,1.0 以上であれば,「関連性が有意である」という.

リスク比

リスク比は

a×nb×m
リスク比の (1α) 信頼区間の上限値及び下限値は,次式で求めることがでる.
exp[loga×nb×m±zα1a1m+1c1n]