第4講 統計的検定

母相関係数の検定と推定

統計量

標本相関係数 r は,中心極限定理より漸近正規性がある. しかし,r が 1 に近いときには,標本サイズが極めて大きいときを除いて, その標本分布は歪んだ形になる.このような分布を正規分布で近似するため, 次のような変換をして正規近似を行う.

ζ(r)=12log1+r1r
これを用いれば,ρ を母相関係数とすると,
ζ(r)N(ζ(ρ), 1n3)
であることが知られている.
T=ζ(ρ)ζ(ρ0)1n3N(0,1)

検定
H0: ρ=ρ0    H1: ρρ0

|T|>zα2

H0: ρ=ρ0    H1: ρ>ρ0

T>zα

H0: ρ=ρ0    H1: ρ<ρ0

T<zα

区間推定

ζ1(ζ(ρ)zα2n3)<ρ0<ζ1(ζ(ρ)+zα2n3)
ζ1z変換表より求めることができる.