第4講 統計的検定

尤度比検定による F 検定の導出

Xiji.i.d.N(μi,σ2)    (i=1,,a, j=1,,n)
H0 : μ1=μ2==μa=μ
H1 : H0の否定
尤度比検定の棄却域は,
maxμ1,,μa,σ2f(x;μ1,,μa,σ2)maxμ,σ2f(x;μ,σ2)c
同時密度関数は,
f(x;μ1,,μa,,σ2)=i=1aj=1nf(xij;μi,σ2)=(12πσ2)anexp[i=1aj=1n(xijμi)22σ2]=(12πσ2)anexp[12σ2(ni=1a(x¯iμi)2+i=1aj=1n(xijx¯i)2)]
H1 の下で,maxμ1,,μa,σ2f(x;μ1,,μa,σ2) を最大にする μiσ2 は,
μ^i=x¯i=1nj=1nxij
σ^2=1ani=1aj=1n(xijx¯i)2
よって,
maxμ1,,μa,σ2f(x;μ1,,μa,σ2)=f(x;μ^1,,μa^,σ^2)=(12πσ^2)anexp[an2]
一方,H0 の下で,maxμ,σ2f(x;μ,σ2) を最大にする μσ2 は,
μ~=x¯=1anj=1nj=1nxij
σ~2=1ani=1aj=1n(xijx¯)2
よって,
maxσ2f(x;μ,σ2)=f(x;μ~,σ~2)=(12πσ~2)anexp[an2]
よって,棄却域は,
(i=1aj=1n(xijx¯)2i=1aj=1n(xijx¯i)2)an2c
ここで,
i=1aj=1n(xijx¯)2=i=1aj=1n(xijx¯i)2+ni=1a(x¯ix¯)2
を用いれば,
(1+ni=1a(x¯ix¯)2i=1aj=1n(xijx¯i)2)an2c
ここで,
F=ni=1a(x¯ix¯)2a1i=1aj=1n(xijx¯i)2a(n1)F(a1, a(n1))
とおくと,
(1+a(n1)a1F)an2c
左辺は F に関して単調増加であることから,棄却域は次式で与えられることになる.
Fc